化学基礎

全元素のうち、金属元素は何種類ある?

金属元素の種類

博士

ケミ太、金属元素ってどのくらいあると思う?

ケミ太

金属元素ですか?うーん50種類くらいですかね。

博士

ハズレ。もっとあるよ。
現在、金属元素は90種類を超え、全元素の約8割にもなるんだよ。

ケミ太

金属元素ってそんなにあるんですか。
全元素が約120種類くらいですから、逆に金属じゃない元素は30種類も無いってことですね。

博士

金属でない元素を、非金属元素というよ。
水素Hとか、窒素Nとかのことだね。
ちょっと周期表を見てみよう。

上の周期表で白色の部分(22種)が非金属元素黄色の部分が金属元素(96種)とされることが多い。なお,ホウ素B,ケイ素Si,ゲルマニウムGe,ヒ素As,アンチモンSb,テルルTe,ポロニウムPoの7種類は,金属に似た性質をもつことから半金属(メタロイド)と呼ばれることもある。例えば,ケイ素の単体は灰黒色の金属光沢をもち,電気伝導性もわずかに示して半導体材料となる。

ケミ太

金属元素は周期表の左下に、非金属元素は右上に存在しているんですね。これは覚えやすいです。

金属の5大性質

ケミ太

金属といえば鉄やアルミニウムが真っ先に思い浮かびます。
ほかの金属もあんな感じの物質なんですか?

博士

もちろん金属元素によってさまざまな特徴や性質があるよ。でも、すべての金属に共通する性質が5つあるんだ。

ケミ太

あ、わかりますよ!
まず、「磨けば輝く」という特徴があります。

博士

金属光沢のことだね。表面がさびてしまっても磨いてサビを取り除くとピカピカになり、光を当てると反射して輝くのは金属の特徴だ。他には?

ケミ太

「熱をよく通す」と「電気をよく通す」です。

博士

調子いいね。
それぞれ熱伝導性、電気伝導性がある、というよ。
ちなみに全金属単体中1位の熱伝導性、電気伝導性を持つのは共に銀Agだよ。

ケミ太

銀って貴重で高価なんじゃないですか?

博士

そうだね。だから、電気の導線や調理器具などに、2位の銅Cuを使うことがよくあるね。銅は比較的手に入りやすいからね。

ケミ太

なるほど。博士がよく使っているコーヒーカップも銅製ですよね。

博士

銅製のカップに液体の温度がすぐ伝わるため、アイスコーヒーはキリッと冷えて、ホットコーヒーはずっと熱々だからおすすめだよ。
話が逸れてきたね。金属の性質はあと2つだ。

ケミ太

はい、「たたくと薄く広がる」と「ひっぱると細長く伸びる」です。

博士

そうだね。それぞれ展性、延性というよ。
金属は金箔やアルミホイルみたいに平たくのばすことができるのと、針金や銅線みたいに細長くのばすことができるんだ。1グラムの金を細長くのばすと、何と2.8キロメートルまで伸ばせると言われているよ。

ケミ太

たった1グラムなのにすごい!

博士

ちなみに、金1グラムはだいたい5000円以上するよ。

ケミ太

たった1グラムなのにすごい!!!

博士

以上、金属は「熱伝導性」「電気伝導性」「金属光沢」「展性」「延性」の5つの性質があるということだ。まとめておこう。

ケミ太

あれ?「磁石にくっつく」は違うんですか?

博士

それは全金属の性質じゃないよ。1円玉(アルミニウム)は磁石につかないだろう?

ケミ太

あ、本当だ。金属といえば鉄、鉄といえば磁石にくっつくというイメージが強いから間違えそうです。

博士

磁石にくっつく金属は意外にも少なく、鉄、ニッケル、コバルトなど数種類しかない。金属の5大性質の中に入れないように注意しよう。

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