元素の周期表は、似た元素が縦に並ぶように配置されています。この縦の並びを「族」とよび、同じ族である元素を「同族元素」と呼んでいます。つまり同族元素は性質が似ているのです。
問題によっては、原子番号順に覚えるより同族元素でまとめておいた方が良い場合もあります。ここでは1族〜18族の中でも特に重要な1族・2族・17族・18族について性質と覚え方を紹介していきます。
元素の分類
博士、周期表のテスト満点でしたよ。
水素からクリプトンまではもうバッチリです!
よく頑張ったね!では続きをやろうか。
え!ここまでクリプトン覚えれば良いって言いませんでした?
原子番号順に覚えるのはそこまででいいんだけど、それだけだと不十分かな。周期律という言葉を覚えているかな?
周期律、ええと、あ!
元素の性質が原子番号とともに周期的に変化することですね。周期表ではその似た元素が縦に並ぶようにしてあるんでした。
そうだね。周期表の縦を族と呼ぶんだけど、この同族の元素を意識して覚えておくと非常に役に立つんだ。1族〜18族まで存在するよ。
特に覚えておきたいのは両端の1.2.17.18族だ。色をつけておいたよ。
1族 アルカリ金属
そうそう。では1族から見ていこう。
1族はH、Li、Na、K、Rb、Cs、Frだけど、Hを除いた6元素をまとめてアルカリ金属というよ。
リナのかーちゃん、ルビーせしめてフランスへ。
Li Na K Rb Cs Fr
アルカリ金属元素の単体は、密度が小さくて融点が低く、やわらかいといった特徴があるよ。
水素は金属じゃないから除外したんですね。
やわらかい金属というのがピンときません。
それならちょうどここにナトリウムの単体があるんだけど、よく見ててごらん。ナイフでサクッと切れるよ。
わ、ほんとだ。金属がバターみたいに切れました。たしかにやわらかいですね。
2族 アルカリ土類金属
次は2族元素にいこう。
2族元素のうちベリリウムBeとマグネシウムMgを除く4元素を、アルカリ土類金属元素と呼ぶよ。
キャッスルのバラ
Ca Sr Ba Ra
アルカリ土類金属元素の単体は,アルカリ金属の単体よりも密度がやや大きく、融点が高いよ。
ベリリウムBeとマグネシウムMgを除くことに注意しなきゃ。
17族 ハロゲン
次は17族だよ。
17族は通称ハロゲンと呼ばれ、単体は2個の原子からなる二原子分子で強い毒性があるんだ。テネシンTsは除外しておいていいよ。
ふっくらしたブリあった
F Cl Br I At
フッ素F2は淡黄色の気体、塩素Cl2は黄緑色の気体、臭素Br2は褐色の液体、ヨウ素I2は黒紫色の固体と、色や状態がさまざまであるのも特徴だね。
色に状態に…覚えることが増えてきましたね。
化学物質にはいろいろな特徴があるからね。
重要なものは少しずつ覚えていこうね。
18族 貴ガス(希ガス)
最後に18族だ。
18族元素を貴ガス(希ガス)と呼ぶよ。
オガネソンOgは除外しておこう。
変ねぇ荒れ狂うキセラドン
He Ne Ar Kr Xe Rn
貴ガス元素は、単体は空気中にわずかに含まれる貴重な気体(ガス)で、沸点は非常に低いよ。安定した物質で、単原子分子で存在する。
原子ひと粒で性質をもつのが単原子分子ですよね。
そうだね。そのほかの特徴としては、貴ガス元素を封入したガラス管に電気を流すと鮮やかに発色する。ネオンサインは見たことは無いかな?
昔はよく看板の文字などに使われていたんですよね。
僕は映画でしか見たことが無いですね。
そうか、時代を感じるなぁ。
まとめだよ。
✔︎性質の似ている同族元素をまとめて覚えておく。
✔︎Hを除く1族元素を「アルカリ金属」という。
✔︎Be、Mgを除く2族元素を「アルカリ土類金属」という。
✔︎17族元素を「ハロゲン」という。
✔︎18族元素を「貴ガス」という。