物質は、原子という小さな粒子の集まりです。原子はどのくらいの大きさなのでしょうか。また、原子とよく間違えられる言葉に、「元素」や「分子」という言葉ありますが、このこれらの言葉は同じ意味ではありません。
ここでは、原子と元素、そして分子について学び、その言葉の意味するものについて見ていきましょう。
原子の大きさ
原子って何ですか?
物質を小さくしていくと、最終的にこれ以上分割できない粒子になるよね。その粒子を原子というよ。
アルミホイルをどんどん破って小さくしていくと、どこまで小さくできるだろう。そんなことを考えたことはありませんか?
人間の手では限界がありますが、もしある物質をどんどん小さくしていくことが可能でも、どこかでこれ以上分割できない状態となります。それはとても目で見ることは不可能な小さな小さな粒子で、「原子」と呼ばれています。その大きさは、直径で言うと10−10m程度と言われています。10−9mが1nm(ナノメートル)ですので、原子の大きさはだいたい0.1nm(ナノメートル)くらいとなります。
と言われても、いまいちピンと来ない数字ですよね?原子の小ささをイメージするこんな表現があります。
つまり、原子からするとテニスボールが地球サイズとなるわけです。そのくらい、小さいものなのです。
ものすごーく小さいってことはわかりました!この原子っていうのが集まって色々な物質がつくられるんですね。
ちなみに、20世紀に入り色々な実験が行われるようになって、原子には内部構造が存在してさらに分割できることがわかってきている。原子の構造で詳しく説明するよ。
原子の種類
ところで、原子は何種類あるか知ってるかな?
うーん、100種類くらいですか?
なかなか鋭いね。2022年現在118種類が確認されているよ。この原子の種類のことを元素と呼ぶんだよ。
現在確認されている元素は何種類あるでしょうか。
19世紀(1801年〜1900年)の後半には約60種類の元素が発見されていましたが、その後も次々と新しい元素が発見されていき、現在ではなんと倍に近い120種類近くの元素が発見されています。ちなみに、そのうち94種類は自然界に存在する元素なのですが、残りは実は人工的に作られた元素です。
科学技術が進歩することで、自然界には存在しない元素を作ることができるようになってきたということですね。
原子は英語でatom(これ以上分割できないの意味)元素はelementというよ。意味も違うので使い分けられるようにね。
水がH2Oと書かれるのは有名ですが、言い換えると、水は3つの原子からなり、2種類の元素からなる物質ということですね!
分子とは何か
そういえば「分子」って言葉もよく聞きますが、原子や元素とはどう違うのですか?
分子とは、物質を「性質をのこしたまま」分割した最小単位なんだ。
分子と原子はどう違うのでしょうか。先ほど出てきた水H2Oも分子で存在する物質です。
「水分子」はありますが、「水原子」というはありません。
水の分子H2Oは水素原子H2つと酸素原子O1つからできていますので、分割しようと思えばまだできますが、分割してしまうと水としての性質は消えてしまいます。
水という性質が残る最小の粒はH2Oのカタマリであり、このように性質を残した最小単位を分子というのです。
同じように、酸素といえば「ものを燃やすはたらき」や「呼吸に必要な物質」という性質がありますが、それは酸素分子O2のことであり、酸素原子Oではありません。空気中にある酸素とは酸素分子O2のことを指しているのです。
ちなみに分子には、原子ひとつの状態で性質を持てる「単原子分子」、2つの原子がつながって性質を持つ「二原子分子」3つ以上の原子がつながって性質を持つ「多原子分子」があります。
単原子分子というのが少々ややこしいですね。ヘリウムHeは1粒でヘリウムとしての性質をもてるので、ヘリウムは原子の状態で分子(単原子分子)となるということです。しかし、多くの分子は何個かの原子が結合した状態(二原子分子や多原子分子)で存在します。
単体と化合物
あともう1つ、酸素O2のように、1種類の元素のみからなる物質を単体、H2Oのように、2種類以上の元素からなる物質を化合物というよ。
原子・分子・元素・単体・化合物の意味をしっかり答えられるようにね。
それにしても、分子って種類がたくさんあって覚えるのが大変そうです。
沢山あるけど、有名な分子については覚えていかないとね。
まぁ出てきたときに少しずつ覚えていけばいいよ。
✔︎物質を分割したときの最小単位を原子という
✔︎物質の性質を残したまま分割した最小単位を分子という
✔︎1種類の元素のみからなる物質を単体という
✔︎2種類以上の元素からなる物質を化合物という