炎の色は赤やオレンジといったイメージがありますが、条件によってさまざまな色に変化します。
特定の元素を含む物質を燃焼したときに色が変化することを炎色反応といい、変化した炎の色を見て特定の元素の存在を確認することができます。
ここでは炎色反応について詳しく見ていきましょう。
炎色反応
博士、窓から花火が見えますよ!綺麗ですね
色鮮やかでまさに花のようです。
花火は花火玉を打ち上げるんだけど、その花火玉には化学の知識が詰まってるんだよ。
うげ、始まりました。
そのひとつが炎色反応だ。花火の色がさまざまな色になるのは炎色反応によるものだよ。名前は聞いたことがあるかな?
炎の色が変化することですか?そのままですが。
半分正解で半分間違いかな。
炎の色は炎の温度によっても変わるんだけど、それは炎色反応とは言わないよ。
炎色反応とは、高温の炎の中で物質を燃焼したとき、炎が呈色する現象のことを言うんだ。炎の色は物質に含まれている元素によって異なるから、どんな元素が含まれるかを調べることができるんだよ。
どういうことですか?
では、ちょっと実験してみよう。
この黒胡椒を炎の中に入れてみるからよく見ててごらん。
あっ!一瞬炎が紫色に変化しました!
紫色の炎はカリウムKの存在を示しているよ。このことから、黒胡椒の中にはカリウムが含まれることがわかるわけだ。
なるほど。炎色反応ってただ綺麗なだけではなく、元素の検出に使うことができるんですね!
覚えるべき元素と炎の色
そういうことだ。ちなみに覚えておくべき元素と炎色反応の色は次の7種類だよ。
リチウムLi:赤色
ナトリウムNa:黄色
カリウムK:紫色
銅Cu:青緑色
カルシウムCa:橙色
ストロンチウムSr:紅色
バリウムBa:緑色
これだけ覚えておけば充分だ。多くはアルカリ金属、アルカリ土類金属※が該当している。
うへー。思ったよりありますね。覚えるの大変そうです。
何か語呂合わせとかあるんですか?
では、こう覚えようか。
リアカー無きK村、どうせ借りるとするもくれない馬力
Li 赤 Na 黄 K 紫 Cu 青 Ca 橙 Sr 紅 Ba 緑
だよ。
ちょっと意味がわかりませんね。
リアカーすら無いK村では、どうせ馬の力も貸してくれない、という意味なんだけど…まぁ覚えられればなんでもいいよ。
赤と紅の違いがよくわかりませんが、区別しないといけないんですか?
正直、赤と紅の違いは目視ではわかりにくいんだけど、紅の方が少し濃い赤だよ。ほかの炎色反応の色についても、参考書によっては色の書き方が少し違うことがある。まぁだいたいこんな色、と覚えておけば良いよ。
炎色反応の正しいやり方
ところで、博士がさっき黒胡椒の実験で使っていた変な針金はなんですか?
ああこれか。これは白金線だよ。その名の通り、白金でできた細長い棒だ。
炎色反応の確認方法はいくつかあるんだけど、実験室で行う正しいやり方は「白金線の先端に確認したい物質(試料)をつけて、ガスバーナーの外炎に入れる」だよ。外炎とは、炎の外側部分のことだ。
あーーー!
ん?どうかしたかい?
花火がいつのまにか終わっちゃいました。
よし、では庭で花火の続きをやろうか。
色を見て、含まれる元素当てゲームをしよう。
花火はやりたいですけど、何か複雑な気持ちです。
✔︎炎色反応を利用すれば特定元素の検出ができる。
✔︎覚えておく元素と色は7種類(Li Na K Cu Ca Sr Ba)
✔︎炎色反応は正しい実験操作で覚えておく。